先日、何度か足を運んだことがある焼き鳥屋に行った時の話です。
その日、お店は繁盛し、大変にぎわっていました。
こちらもお腹がペコペコで、入店してすぐにたくさん注文をしました。
ドリンクがすぐに運ばれてきて乾杯!無料サービスのキャベツに手を伸ばしながら、お料理が届くのをまだかまだかと心待ちにしていました。
しかし、、、
待っても待っても料理は来ません。
一度、キャベツのおかわりを注文。キャベツはすぐに来ます(笑)
大阪人は「待てない人種」とも言われるほど、待つことが嫌いな特性があるようですが、それにしてもかなり待ちました。
実に注文してから30分。
さすがに、「私たちの注文は、通ってますか?」とお聞きしました。すると、「大変混み合っていますので、順番にお出ししています」とのこと。
もうキャベツで結構お腹が満たされてくるな~と思いながら、更に待つこと15分。
さすがに、何もお料理が来ないので、「さすがに遅すぎませんか?」と尋ねると、「もう間もなく出来上がりますので」とのことで、そこからすぐにお料理が運ばれてきました。
その運ばれてきたお料理を見てビックリ!
最初に注文した何十品もの料理がテーブルに乗りきらないほど、一気に運ばれてきたのです。。。
キャベツでお腹が膨れ始めていたことに加え、一気に料理が運ばれてきたことで冷めないようにと食べるペースが速くなり、味わうことなく一気食いみたいになってしまいました。
また、注文してから45分も待ったことの精神的な苛立ちも加わり、食事が全く美味しくない食事に。。。
ここでふと、、、「何で美味しくない食事になったのか??」と考えました。
焼き鳥の焼き具合は十分で完璧。味も大変美味しいもの。フロアの店員さんの対応も決して悪いものではない。
でも、食事としての満足度は20点レベル。
もうこの店には行きたくないな~という感情が同時に芽生えていました。
今回、私たちが感じた感情の根本には「早く料理を食べたい」というニーズが隠れているのです。
120点の焼き鳥でなくても。フロアの店員さんの対応が100点満点でなくても。おそらく、素早く料理が出てきていたら、そこそこの満足は得られたのではないかな?と思ったのです。
前置きが長くなりましたが、私たち介護・医療の分野に置き換えてもこういうことが日常的に起こっています。
私たちは主にケアマネジャーさんからご依頼を受けますが、ケアマネジャーさんから電話をいただくときの相談内容は主に【表に現れたニーズ】です。
「こんな重度ケースに訪問介護として対応できますか?」
「週3回の看護師介入は可能ですか?」
「日曜日の訪問はしていますか?」 という具合に。。。
しかし、この表に現れたニーズにばかり気を取られていると、ケアマネジャーさんの真のニーズに対応することはできません。
ケアマネジャーさんは、大変忙しい業務の中で、たくさんのケースを担当しながら、日々変化する状況に対応し、ご本人、ご家族の望む生活の実現のために、目に見えにくい調整をたくさんしています。
病院から急なカンファレンス要請があったり、ご家族様に急遽呼ばれたり、想定しているスケジュール通りに事が運ぶことばかりではないのが実情です。
”時間との闘い” とも言うべく、多忙なのです。
そのケアマネジャーさんは、実は隠れたニーズとして
「できるだけ早く調整したいから今日中には返事が欲しい」
「急遽退院が決まったから明日からのプランニングをすぐに決めないといけない」
「明日、家族様には形にした返答をしなければならない」
等、表には出さない「ケアマネジャーさんとしてのニーズ」が隠れています。
相談を受けてすぐにシフト調整し、週3回の看護師が介入できる状態を完璧に整え、2日後にケアマネジャーさんへ連絡。
しかし、「あ~もうその件は他の事業所で決まりましたので、大丈夫です!ありがとうございました!」
なんてこった・・・((+_+))
こういうこと、実はみなさんの身の回りで起きている「あるある」なんです。
私たちは、常に何かの「ニーズ」を満たすために行動をしていますが、こちらが求めているニーズと、受けるサービスに乖離がある時、「満足」を得ることは難しいんです。
ご依頼をいただくケアマネジャーさんにも、必ず表に現れない、電話をかけてくださった背景にある「ニーズ」があります。
Sieg.★では、電話でご依頼をいただいた際に実施していることがあります。
①相談受付票というものを用いて、誰が、いつ、どんな電話を誰から受け取ったのか
②いただいた内容に対しての返答を、ケアマネジャーさんはいつまでに欲しいか
③①②をふまえて、何時までに、誰から折り返すか
を明確にお答えしています。
事業所にいただける1本の電話。この電話に繋がるまでにSTAR★たちが行動してくれた行動量。信頼関係。弊社への期待。
全てを裏切らないように。期待を上回る成果を出せるように。誠心誠意が相手に伝わるように。
たかが電話一本。されど電話一本。
電話一本で失う信頼もあれば、電話一本で勝ち取る大きな信頼もあります。
顔の見える関係ができていれば、もし電話で不十分な対応だったとしてもカバーはできます。
だからこそ、Sieg.★は地域の支援者、関係者と徹底的に顔の見える関係を作ることにも注力してます。
【ニーズ】・・・言葉で書けば簡単ですが、これを汲み取ることって意外と簡単ではありません。
個人のスキルに依存することなく、会社全体としての価値観にする。仕組みにする。
信頼関係を最も大切にする風土を醸成する。更にそれらを強固にする仕組みに変えていく。
今回は焼き鳥屋の実例とケアマネジャーさんからいただく一本の電話の実例から、話を展開してみました。
私たちの日常に、ビジネスにおける大切なことはたくさん溢れています。
Sieg.★は、介護や医療の専門職であるからこそ、専門性をより高める感性を様々な事例から学び、STAR★たちでシェアしています!
更なる高みへ!!!
次回も楽しみにしていてください★